「こういう時は、女の子と手を繋がないのは、女の子に対して失礼なのよ…」
あの日…そう言われた。
フォークダンスが始まり…

僕は、気の乗らない感じで、何となく踊っていた。
何故って君…
と言うのも、あの娘は輪の反対側。
時間的に、僕にあの娘と踊る順番が回ってくるとは、思えなかったしね。
で、
何人目だったか…?
「F」と言う女子と踊った時の事だった。
「あら、アマネ君じゃない…」
アマネって言うのは、当時の僕のあだ名なんですね。
あの頃、僕の事を名字で呼ぶのは、担任の先生くらいだった。
大抵の子は、アマネ…って呼ぶのに、アマネ君って…ちょっとね。
でまぁ…その「F」と踊ったわけなんだけど…僕は、その「F」が苦手でね。
中学3年生と言うと、聖子ちゃんカットが流行り始めた頃で、

ここまでじゃ無いにしても、「F」の髪型は、まぁまぁ意識はしていたと思う。
休み時間には、青い珊瑚礁の出だしのところを歌ったり…
「えぇ~やだぁ…似てるなんて言わないでよ~…わたし、まつだせいこ…嫌いなんだからぁ…」
とか、
「おかあさん…」
とか、
「ねぇ、私って…斉藤とも子に、似てると思わないぃ?…」


とか、
(これは、クラスメートの西野くん〈仮名〉に光速で「ふざけんなバカ!」と否定され…その上…
「西野〈仮名〉よく言った!」
と飯塚くん〈仮名〉にグッジョブされた。)
兎に角、僕はあぁ言うタイプは、苦手だったのだよ。
補足だが、「F」は…
Aーちゃんの、片恋の女子だった。
僕は、他人の女性の好みについて、どーこー言うつもりは無いが………
どーこー言うつもりは、無いね。
それぞれ、人には人の、恋する人の好みってものが…有るからね。


